どうも、キャップです。
ユニフレームのスキレット(10インチ)を購入しました。
メンテが楽なSOTOステンレスダッチオーブンの満足度が想像以上だったので、メンテが楽なユニフレームの黒皮鉄板スキレットを選びました。
スキレットは鋳鉄製が多い
よく見かける黒いダッチオーブンやスキレットは鋳鉄(ちゅうてつ)製です。
高温で溶かした鉄を型に流し込んで成型する、いわゆる鋳物(いもの)です。鉄を溶かして作るんですねー。
鋳鉄製で有名なのはLODGE(ロッジ)。キャストアイアン(鋳鉄)にこだわるロッジの製品は5mmの肉厚な鋳鉄で作られています。
2%以上の炭素を含む鉄合金のことを鋳鉄と呼びます。炭素が2%以下なら鋼(はがね)と呼ばれます。
鉄に含まれる炭素量が多いと溶ける温度が低くなります。一般的な鋼材が1500℃以上に加熱しないと溶けないのに対し、鋳鉄は1200℃程度で溶けます。
鋳物は複雑な形状の製品を安く大量に作ることができます。鋳型には砂を固めて作った砂型、金属を削って作った金型、樹脂型、石膏型などの種類があります。
ユニフレームのスキレットは黒皮鉄板製
ユニフレームのスキレットは鋳鉄製ではありません。
「黒皮鉄板」と呼ばれる1枚の鉄板を、鍋状にプレス成型して作られています。黒皮鉄板の厚みは3.2mmです。
ユニフレームは黒皮鉄板のダッチオーブンも発売していますが、SOTOもステンレス製のダッチオーブンを発売しており「鋳鉄製ではないダッチオーブン」は珍しくはありません。
でも僕が調べた限り「鋳鉄製ではないスキレット」は珍しいです。SOTOはステンレス製のスキレットを発売していません(ダッチオーブンの上蓋をスキレットとして使えるタイプはありますが)。
「メンテナンスが楽なスキレット」を探すとユニフレームの黒皮鉄板製スキレットが浮かび上がってきます。
黒皮鉄板とは?
黒皮鉄板とは「黒皮」を持つ鉄板のこと。
鉄を高温で加熱すると表面が酸化変質を起こします。この酸化皮膜が黒皮です。
黒皮は1枚の鉄板を鍋状にプレス成型する製造工程の中で生まれます。
鉄を溶かして成型する鋳物では黒皮は生まれないんですね。
黒皮鉄板の特徴
洗剤や金タワシで洗える
酸化皮膜は洗剤で落ちることはありません(化学的に)。金タワシでこすったくらいでは剥がれません(物理的に)。
サビにくい
酸化皮膜が表面を保護しているので赤サビが発生しにくくなります。サビは酸化です。既に黒錆びで酸化しているので、それ以上酸化しない、という理屈です。
鋳鉄製よりもタフ
鋳鉄製に比べて耐衝撃性、耐温度変化に優れています。鉄を一度溶かして固めるより、一枚の鉄板を圧延加工して作る方が強い、ということですね。
ユニフレームのスキレットには蓋が付いている
箱から出したばかりのスキレット。右が蓋です。
蓋があると目玉焼きも美味しく焼けるし、料理の幅が広がるので嬉しいですね。
もちろん蓋も黒皮鉄板製。黒皮鉄板のフタの厚みは2mmです(本体の厚みは3.2mm)。
税込6,500円は安いとは言い難いですが蓋が付いているのは嬉しい。
同素材の蓋があると夢が広がります。もし蓋を使う場面が殆ど無かったとしても、夢を抱えながら生きることができるだけで十分メリットはあるでしょう(かなり大袈裟に表現してみた)。
ユニフレームのスキレットの特徴(嬉しいポイント)
洗剤で洗えるって嬉しい
これはスキレットとして革命的な利点だと思います。
洗剤で洗えるダッチオーブンはあるけど、洗剤で洗えるスキレットって今のところユニフレームの黒皮鉄板製しか無いのでは(探せばいくつか見つかるのかも知れませんが僕は知りません)。
アヒージョを作った後のスキレットで次の料理を作ると匂いが残って嫌だったんでが、ユニフレームのスキレットなら洗剤で綺麗に洗ってから次の料理を作れます。
サビないって嬉しい
鋳鉄製スキレットの弱点、サビ。
「アヒージョは殆ど油だから大丈夫だろ」と放置した翌朝、スキレットのフチがサビてました。それくらい鋳鉄製はすぐにサビます。
「放置禁止!」とか「使ったらすぐメンテしなきゃダメ!」とか、何か嫌ですね。くつろぎに来てるんだから制約やNGルールはできるだけ減らしたい。自由を奪われたくない。
黒皮鉄板製はちょっとやそっとじゃサビないし、メンテは使用後に油を塗っておくだけでOK(たぶん毎回やらなくても大丈夫っぽい)。
嫌なプレッシャーから解放されてハッピーです。
蓋が本体にピッタリ合うって嬉しい
鋳鉄製スキレットの中には本体と蓋がピッタリ合わず隙間が空いてしまうものもあります。
ユニフレームのスキレットは精密に切削加工されているので、本体と蓋の接地面がフラット。本体と蓋がピッタリ合います。
細部の仕上がりが美しい製品は見ていて気持ちが良いですね。
ユニフレームのスキレットの弱点(残念なところ)
ちょっと高価
蓋が付いてることもあってユニフレームのスキレットはちょっと高価です。
Amazonのアウトドア用ダッチオーブン の 売れ筋ランキングを見ても10インチ、25cm前後の鋳鉄製のスキレットはだいたい2,000円~3,000円。
それと比べると6,500円というユニフレームのスキレットの価格はワンランク上の印象。
「蓋付セット」の代表格はロッジのコンボクッカーですが、あちらダッチオーブンとスキレットの両方を兼ねる製品。それでも8,500円くらいです。
こうやって冷静に考えると確かに6,500円は安くはないです。
でも個人的には値段以上の満足感があると思います。
初回のシーズニングは必要
蓋をシーズニングしてるところ。
ユニフレームのスキレットは使用前にシーズニングが必要です。
黒皮鉄板製品は表面の変質を防ぐ為にクリアラッカー塗装が施されています。使用前に空焼きしてクリアラッカーを焼き切る必要があります。
空焼きして白い煙が出なくなると、黒い本体が徐々に青黒くなってきます。実は黒色はクリアラッカーの色。青黒いのが黒皮鉄板です。
この行程が面倒と言えば面倒。
SOTOステンレスダッチオーブンはシーズニング不要、使用後に油を塗る必要もありません。黒皮鉄板製よりもステンレス製の方がメンテナンスは楽です(もちろん値段も高くなりますが)。
収納袋は付属しない
黒皮鉄板のスキレットを見ていると無性に収納袋が欲しくなります(個人差あり)。
結果、スキレットと蓋がピッタリ収まるケースを買ってしまいます。
スキレット収納袋のベストチョイスはasobito(アソビト) の防水帆布ケースだと思います。
ヘビーデューティーな9号綿帆布です。
ゴワっとした風合いが良い雰囲気です。
もう一つ候補を挙げるならコレ。
オレゴニアンキャンパーのスキレットケースはカモ柄に赤いパイピングが効いてます。
ハンドルカバーもシリコンじゃなくて革製を選びたくなりますね。
これは雑誌fam(ファム)の2016春号の付録です。ユニフレームのスキレットの把手にジャストフィットします。
弱点とか言いながら、収納袋やハンドルカバーを探すのも楽しいんですよね。
強いて言うなら沼があるところが弱点。
ユニフレームのスキレットをキャンプに連れて行くとどうなるか?
一言で言うと、気分がアガります。
「重量級のお気に入りグッズをわざわざ持ってきたぞ!」という自己満足感が高まります。
無骨な見た目にテンションが上がります。不必要なアドレナリンが分泌されます。
重量級タフギアには男性の本能に呼びかけてくる何かがある気がします。
フラットバーナーやツーバーナーが調理しやすい<追記:2020年5月6日>
スキレットは重いしハンドルがあるのでバランスが悪いです。
座高の高いシングルバーナーでの調理は不向きです。置いてると倒れそうで不安なので。
スノーピークのフラットバーナーが丁度良いですね。ゴトクにしっかり置けます。
ツーバーナーも家庭のコンロに近いので調理しやすいと思います。
スキレットやダッチオーブンを熱いまま置ける場所は限られています。
出来上がった料理をコンロの上に置いたままにできれば、焚き火テーブルに別の物が置けますし、調理スペースが効率的に使えます。
「ちびパン」も欲しくなる<追記:2020年4月5日>
ユニフレームから発売されている「ちびパン」。
こちらも黒皮鉄板のフライパンですがサイズがミニ。
メスティンラージと比べたサイズ感はこんな感じ。
フジカハイペットの上で目玉焼きを調理したり、
おひとり様用のアヒージョを作ったり。
皿に移さず、そのまま食べることもできるサイズ。あれば何かと便利。
10インチのスキレットは大袈裟だな・・・って時に丁度良いサイズなので、こちらも欲しくなります。ちょっとした黒皮鉄板沼。
でも黒皮鉄板なのでメンテが楽チンだし、気に入ってます。
シャケを焼くと美味しい<追記:2022年8月3日>
シャケの切り身をスキレットで焼くと、めちゃくちゃ美味しいです。
理由はわかりません。
でもオーブンで焼いた時より、まちがいなく美味いです。
- 油を気持ち多めにひいて、スキレットが熱くなってから焼く
- 片面が焼けたら裏返してフタをする
がポイント。
焦げ目がついてカリッとした食感だけど、身はふっくら柔らか。
フタをして蒸す工程がキモだと思ってます。
ユニフレームのスキレットは専用のフタがあるのが良いですね。
まとめ
SOTOステンレスダッチオーブンを購入して料理に対する感情が変化しました。
ユニフレームのスキレットも僕を料理好きにしてくれます。
- 本格的なスキレット料理ができる
- でもスキレットにありがちな面倒なメンテナンスは不要
この両立は本当にワンダフル。
サビないスキレット、洗剤で洗えるスキレット、金タワシで擦れるスキレット。
「手間暇かけてメンテしてね」と主張しないスキレットって最高です。
ユニフレームの黒皮鉄板製品としてはダッチオーブンより知名度が低いですが、スキレットこそユニフレームの黒皮鉄板製を選ぶべきだと思います。
以上、ユニフレームのスキレット(10インチ)はメンテが楽だから気軽に使える、という話でした。
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